会計士であれば世界中どこでも働ける
野中 拓人さん
場所: ニューヨーク 業種: 会計事務所 期間: 18ヶ月
「海外で仕事したい」大学卒業を機に単身ニューヨークへ留学、渡米後わずか4ヶ月で会計事務所のインターンシップ先を見つけた野中拓人さん。平日はマンハッタンの一等地にオフィスを構える下村会計事務所で会計について学び、休日はニューヨークライフを満喫し、充実した毎日を送っています。米国公認会計士取得へ向け、ニューヨークで夢への第一歩を踏み出した野中さんに、そのチャンスを得た経緯とニューヨークでのインターンシップについてインタビューしました。
海外で仕事をしようと思ったきっかけ
特にニューヨークというこだわりはなかったんです。アメリカに行きたいというのはありました。そこでアメリカで車なしで生活きる場所、日系の会計事務所が多い場所…と考えたときにニューヨークという選択に至りました。
ニューヨークへの留学資金
大学生の頃にずっとアルバイトしていて、自分で留学資金を貯めて来ました。40万円ぐらいだったのですが、その貯金で1年は居たいと思ってました(笑)。でもそれは無理なのも分かっていたので不安も大きくて…。でも語学留学でニューヨークに来て4ヶ月後ぐらいに今のインターン先が決まったので、本当に良かったです。
会計事務所を選んだ理由
大学で会計を専攻していたからです。実は会計を学びたくてというよりも、海外で仕事したいから大学で会計を専攻したんです。法学部でもよかったのですが、法律は国によって全然違いますし、実際、会計も違いはあるんですが、会計であれば世界中どこでも働くことができると考えて大学の専攻を決めました。
インターン先を見つけるまでの経緯
初めは語学留学として来たので、自力でインターンシップできる会計事務所を探していました。ニューヨークの会計事務所に片っぱしから電話を掛けて…という繰り返しでしたね。その時に今の事務所にも掛けてみたのですが、なぜか電話がつながらなかったんですよ(笑)ほとんどが門前払いに近い状態だったので、海外で仕事を探す難しさを痛感しました。そんな時にIBEという会社がインターンシップの紹介などサポートしてくれるという情報を聞き、申し込んで今の事務所にインターンシップさせていただことになりました。
エージェンシーを通してよかったことは
今の会計事務所と僕をつないでくれたことです!お世辞ではなく、人生で一番実のある出費だったと思います。
ニューヨークの印象
ニューヨークには大学生時代に旅行で一度だけ来たことがありました。やはり、旅行で来るのと住んでみるのは違いますね(笑)。ニューヨークに来たばかりの頃は言葉も分からない、お金もない、インターン先も決まらない…と毎日が不安の連続でした。でも実際に住んでみると、ニューヨークを好きになりましたし、これからも住みたいと思いました。やはり刺激的ですし、楽しいですね。何より今の事務所に出会い、インターンシップできたので本当にニューヨークを選んで良かったと思います。
英語の勉強
高校で英語の偏差値が良くて、自分でも英語は自信がある分野だったのです。だから渡米前は言葉に関して、あまり不安はありませんでした。でも実際来てみると思っていた以上に英語が分からなくてショックでした(笑)。やっぱり中学や高校で学ぶ英語と、生活の中で使う英語は違うんだなと身をもって感じました。
休日の過ごし方
平日は家に帰って会計の勉強、英語の勉強と趣味を兼ねて映画を見たりしています。休日は友達とお酒を飲みに行ったり、空手を習い始めたので空手道場に行っています。また、自転車好きな友達とセントラルパークに行ってロードバイクでレースしたりしています。
日本とニューヨークの違い
本当に色々な人がいますね。国籍もしかり。僕たち日本人のイメージするニューヨークって、都会で世界の最先端で…というものだと思うんですが、実際は地下鉄もいまだに自動改札じゃなければ電車も時刻通りこないこともある。それでも腹を立てる人もいない。タイムイズマネーで一分一秒を惜しんで働いているけど、そういうささいなところで気持ちのゆとりみたいなものを持っているというのに驚きましたね。アバウトっていうと聞こえが悪いかもしれませんが、それが良い方向にも働いている。そういう街だと感じました。
インターン後の目標
インターンを経験してみて感じたことは、インターン後の目標を考えるよりも、目の前にある問題や課題に集中する、会計の仕事を頑張ることが今の僕にとって必要な気がします。実は具体的な目標を持つと焦ってしまう性格なので、今はあまり目標を決めずに、目の前のことに全力を尽くすように日々心がけています。
スーパーバイザーからの一言
インターン生を受け入れたきっかけは、私たちが次世代の若者にチャレンジできる場所を提供することにより、1人でも多くの若者が海外に出るチャンスとなりえると思ったからでした。今日、日本でも国際社会といわれていますが、日本から海外へ留学する学生は年々減少傾向で、これからの日本に不安を感じていました。
そんな中、野中くんのような海外に目を向けている若い青年に興味がありました。受け入れに際し、何人かの候補生がいましたが、野中くんの面接で彼の「会計士の試験に受かることが人生の目標ではない」という大きな志に惹かれたのと、初めての海外生活に加え、新しい会計業務はすごく大変だと思いますが人一倍頑張ろうという気持ちが伝わり、彼をインターン生として選びました。安泰を求める日本人が増えていますが、そうではなくもっと未知のことにチャレンジするというのが大事だと考えますし、そういう人に興味があります。会計士という職業柄、安定という方向にいきがちです。海外に出ることはリスクだと周りには言われるかもしれませんが、そのリスクがこれからの将来大切になっていくと思います。